hellohana!!

小雨にまぎれ泣いてる花も明日は咲くでしょう

100万回の言い訳

読みました。

100万回の言い訳 (新潮文庫)

100万回の言い訳 (新潮文庫)

読後に余計なものがあまり残らない、すっきりした読み口でした。

簡単に言えば、出てくる人間がみんなどうしようもない不貞なヤツらで、その中に長年夫婦で居酒屋をやってきたおじいちゃんおばあちゃんと、シングルマザーの女の子がでてきて善悪のバランスを取っている感じの小説だった。

レビューをたくさん読んだら、決まって不倫しているのが気持ち悪い、胸糞悪い、よくも簡単に他人と寝るんだなとか書いてあったんだけど、そういうレビューを書く人たちに、登場人物たちに共感できる点はあんまり無かったのかなー。わたしは端から端まで共感して涙も流したんだけど、もっとサラッと読むものなのかな。

私もホイホイ誰とでも寝る人たちはちょっと嫌だなと思うけど、この物語にそれを覆う寂しさと幸福感があったのは、毎日の生活が(夫婦の)関係を蝕んだり育んだりするものだからかなーとぼんやり思った。いっときの情愛だけでは壊すことができない生活が存在するということ。ざっくり、そういうテーマだと思う

何も疑わずに相手との生活を信じ続ける人間はすごいし、私がもし結婚するなんて事があったらそうなりたいと思ってる……けど、そんな自信無い。私もまたこの物語の中に登場するような人間だなと、共感するたびに何度も思った。

あと伊島っていう、女性を性欲処理のダルマくらいにしか思ってない(これまた端的すぎる説明なんだけど)クソ男が出てくるんだけど、そいつがまたとっても魅力的に描かれていて、よくこんな風に人物描写ができるもんだなと思った、さすがベテラン唯川恵。伊島みたいな男は超魅力的だよー、だから良い人がいないんだろうな私には。

最近、人の魅力は生まれた家が金持ちかどうかで決まるんじゃないか、っていうのが確信に近づいてきたんだよ、その魅力っていうのが10年以上連れ添う場合も持続するかというと微妙だけど、たまに会うくらいの関係なら十分に効力を発揮する。

そういう類の魅力。少なくとも異性を異性として見るときはそういうセンサーがあると思う。

それは、本当に財産目当てなんかではなくて、一言でいうと余裕が感じられるんだろうな、こういうと本当に馬鹿野郎みたいだけど、もしかしたら坊っちゃんお嬢ちゃんに惹かれるのは本能かもしれない。馬鹿は本能に近いよね。

ここいらで出勤します。

読書は登場人物みんなと友達になった気分で楽しい。